2010年10月5日火曜日

THE WORKS

初日公演終了後、20:30からのJohn Jasperse Company の舞台を見て、22:30からのArt Party「THE WORKS」へ行く。
本番後に舞台が見れるなんて、日本では信じがたいが、ラフにばらして劇場へ。

TBAフェスティバルは、9月の10日間、ポートランド中心部の劇場、ギャラリー、大学など11カ所で、ビジュアルアーツとパフォーミングアーツのプログラムが展開されている。
プログラムは、2時間ごとに組まれていて、10:30 workshop、12:30 noon chat(PNCAでのフリートーク)、16:30/18:30/20:30に各会場でパフォーマンスがあって、22:30から深夜まで「THE WORKS」が毎日開催される。
これらの会場のほとんどが、ストリートカー、バス、MAXなどポートランドの公共交通機関の無料乗車区間に位置していて、その移動時間も含めて、プログラムが構成されているのだ。入場料も基本的にはパスで見て回る方式になっている($100-$500)。

TBAのプログラムは、非常に先鋭的なものが集められたという印象だ。老舗のWooster GroupやJohn Jasperse Companyも今もって新しいことに取り組んでいるし、ヨーロッパからのアーティストもミニマムな表現やアンダーグランドで活動していると思われる作品が並んでいる。このフェスは地元アーティストにとっては敷居が高く、だからこそ、彼らの活動の場所やミーティングポイント「THE WORKS」が設けられている。
その会場となっているのが、中心部から少し離れた場所にある廃校(Washington High School)で、広大な駐車場を備え、フェスティバル事務局にもなっている。教室がビデオやインステレーションギャラリーになっていて、講堂ではさまざまなフリーイベントが毎日開催されていて、ローカルアーティストの作品の発表の場にもなっている。22:00からは屋外ビアガーデンやローカルフードカートがオープンして、アーティスト/スタッフ/観客の出会いの場となるのだ。
THE WORKSのみの格安のパスもあり、若い観客はパス持参の大人随行で無料で参加も可能だ。そのせいか、有料会場の劇場では少数派の若い世代の人たちが目立つ。

これまた信じられないことだが、このパーティーに朝から働きづめのPICAやフェスティバルスタッフが皆、顔を揃えているのだ。アースティックディレクターやアートディレクターはともかく、広報、テク、ボランティアまで、毎日。それと、殆どのプログラムをスタッフが見るようにシフトを組んでいて、必ず誰かが客席に見に来ている。自分たちが関わったものが何なのかをきちんと見るという当たり前のことが、結構難しかったりする。アーティストにもパスが提供され、私たちも出来るだけ舞台を見て回った。アーティストもスタッフも、観客と一緒に時間を過ごす。でもそれがないと、「THE WORKS」も機能しないのだろうと思う。互いのものを見合って、語り合って、繋がっていくという、このフェスのプログラムづくりは日常レベルでの活動とも繋がっているように思う。
TBAから学んだことのひとつ。

0 件のコメント: